地域との共生を図る京都のホテルで活躍する卒業生-パーク ハイアット 京都
歴史と伝統があふれる街並みが魅力の京都。
金閣寺や清水寺、二条城などの世界遺産も数多く、歴史を感じられる場所として日本を代表する観光地として知られています。
2022年11月、新型コロナウイルスの水際対策の緩和、観光需要の新たな喚起策「全国観光支援」が始まることを受け、その京都市内の観光地では、日本人のみならず外国人観光客も増え、今、まさににぎわいを見せています。
京都東山の中心、清水寺や高台寺の間に位置する絶好の地に2019年10月30日、パーク ハイアット 京都が開業しました。周囲の街並みや景観に合わせた低層建築で設計され、地元京都に深く根差した建築手法や職人技を取り入れながらモダンで洗礼された空間を実現しています。400年以上の歴史と文化を受け継ぐ日本庭園や江戸時代の茶室などを保存・復元してお客様を迎える京大和と共存・共鳴し、京都での新たなおもてなしを追求しています。
そのパーク ハイアット 京都で、本校の昼間部ホテル科を2002年に卒業した筆口征哉さん(茗溪学園高校〔茨城〕出身)がHotel Manager/ホテル支配人として活躍しています。
「京都という土地にあるホテルであるからこそ、地域にあってはじめて存在するホテル」。
筆口さんは、ホテルをこう表現しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ホテルの存在する意義が問われました。2020年3月、緊急事態宣言が発出され、国は人流の抑制を求めました。パーク ハイアット 京都は、ホテルだけでの判断ではなく、ホテルがある地域・コミュニティの人たちとホテルを開け続けるか、一旦休業するのか協議しました。ホテルを開け続けることは、人の流れを生む要因をつくることになり、地域の人々に不安を感じさせる原因をつくることになります。開業からわずか4か月、地域の安全を守るため、緊急事態宣言が発出されている期間は、ホテルを休業することと決めました。まさに「地域にあってはじめて存在するホテル」としての姿です。
筆口さんは、宿泊、料飲、調理、施設管理、警備などの運営全般から、営業、マーケティング、人事、経理の管理部門までホテルの運営全体を統括しています。同時に、市民生活との調和や地域団体との連携といった地域経済や地域コミュニティの活性化への貢献するホテルとして、コミュニティとの共生を目的とした地域との連携を密に行う代表者としての役割も担っています。また、ホテルのオーナー(所有者)から運営を託された会社の代表者のひとりとして、所有者と運営者の双方が実現したいホテル運営を理解して形にしていく責任者としての役割を果たしています。そして、ホテル支配人という立場でも現場に立ち、率先してお客様の接客も行っています。
「10歳からホテリエになりたいと思っていたんです」と筆口さん。小学1年生から中学1年生まで海外に住んでいた筆口さんは、休みを利用してご家族で旅行に行く機会も多く、旅行先のホテルのレストランでのサービスを実際に受けて感銘を受けたことが大きく影響しているそうです。「ネクタイやジャケットの着用を求められているレストランだったのですが、子どもであるにもかかわらず大人と同じように接してくれてとても嬉しかったことを覚えています。大人になったような気分になり、純粋に“かっこいい”と感じ、いつかは自分も“かっこいい”大人になりたいという夢を持つようになった瞬間でした」と当時を思い起こしていました。
高校卒業後は、大学進学という選択肢があったものの、「ホテリエになる」という具体的な夢の実現のため何をすべきかを真剣に考え、在学中の3回のホテル実習や授業のカリキュラムなどに魅力を感じ、日本ホテルスクールに入学しました。「学校では“社会に出るための準備”ができたと思います。ホテル実習の充実さは、技術力を身につけるだけでなく、学生のうちにできる限り社会人になるための準備をしておきたいと思っていた私にとって何よりも強みになったと思います。実習と授業を交互に繰り返すことで、現場での実体験と学校での授業の内容が結びつくわけです。経験豊富な先生方の生の声を学校で聞くことができたのも参考になりました」と学生時代を振り返っていました。
筆口さんは2002年に本校を卒業後、パーク ハイアット 東京の宿泊部門で活躍、その後、ハイアット リージェンシー 京都の開業を経験、そして、ザ・ペニンシュラ東京での勤務を経て、アメリカ・シカゴ、フィリピン・マニラ、旗艦店である香港と世界各国のザ・ペニンシュラで経験を積まれてきました。海外での活躍が続くと思われたところ、日本を代表する都市・京都で“パーク ハイアット”が当時、日本で25年ぶりに2軒目として誕生することが決まりホテルの開業準備からホテル支配人として携わることとなりました。
今、パーク ハイアット 京都でホテル運営の全般の責任者として重責を担っています。「お客様からのお褒めの言葉や笑顔、そして真摯な感想をいただいたときには満足感を得られます。そしてチームとして何か困難に立ち向かうべき状況の中でもチームとして一つになったと感じるその瞬間を“やりがい”に励んでいます。私自身がホテル業界でキャリアをスタートさせた頃には、先輩の姿を見て良いところを盗んで成長してきました。“Lead by Example”と表現されるように、私自身の背中を見て、いろいろと学んでくれたら嬉しいと思っています」と筆口さん。
「世界で活躍する日本人ホテリエは多くありません。一方で、日本のホスピタリティは世界の中でも持ち上げられ、一流として認識されており世界でも通用します。海外に出たとき、日本人は“日本人というブランド”で高く評価され、大きな期待感を持って迎えられます。日本でも、海外でも活躍したいという強い想いがあれば、“スーパースター”になれる業界だと思います。高みをめざす想いがあれば成功できる業界。想像することが難しいかもしれませんが、インターネットやSNSで見るだけでなく、実際にホテルに足を運び“かっこいいな”と思える体験をしてから業界に飛び込んで欲しいですね」と、ホテル・ブライダル業界をめざす高校生の皆さんにメッセージを送りました。
現在制作中の2024年度入学案内書(2023年3月完成予定)でも筆口さんを紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
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