2024年09月29日

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「あなたのサービスじゃなきゃ美味しくない」

特別な記念日や結婚式の披露宴で利用される高級レストラン。
そこで求められる一流のサービス技術はどのように身につけるのでしょうか。

「レストランサービスって、どんな感じなの? 具体的に教えて!」
レストランサービスのプロフェッショナル、上野先生に聞きました。

一流のレストランサービスとは?

わかりやすく「ある日の受け持ちの3テーブル」という話をしてくれたのでまとめました。

若いカップルのテーブル
男性は、あっという間に前菜を食べ終え、話しに夢中です。女性はゆっくり食べながらニコニコ話を聞いています。
コース料理は食べるスピードを互いに合わせるのがマナーではありますが、マナーばかり気にしても美味しくないですよね。
次のお皿はサービスマンがタイミングを合わせれば良いのです。

ご年配のご夫婦のテーブル
食材や調理法、ワインについても沢山ご質問をされます。お二人にとっては、スタッフとの会話も楽しみのひとつのようです。
お料理に合うワインの選択肢をご提示し、一旦テーブルを離れます。

ファミリーのテーブル
カトラリー(食卓用のナイフ、フォーク、スプーンなどの総称)が落ちた音の先には、お子様の緊張した顔。家族の食事の時間はずっと楽しく過ごして欲しいですよね。
慌てて拾おうとする手を笑顔で止めます。

お子様の替えのフォークをそっと置き、目立たぬように落ちたフォークを回収し、楽しく悩んだ末のワインのオーダーを頂き、ご婦人の「少しお腹いっぱいね・・・」を聞き逃さず、「次のお料理は、一皿だけ少な目に」とキッチンへ伝えます。そしてカップルの会話を遮らないよう、次のお料理を運びます。

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ドラマのワンシーンみたいじゃないですか?!と驚くと、
「いや、いつも通りです」

「プロポーズ大作戦とか、ドラマみたいなシーンはもっと沢山あるんですよ。」
とのことで、そのお話は次回のお楽しみ。

どうしたらこういうサービスができるようになりますか? やはり才能?

「いやいや、沢山クレームも受けたし、色々な失敗をしてきましたよ!」

お客様や上司に、「お前じゃダメだ」と言われ、悔しくて、一晩中練習した事だってあります。食材やお酒の知識は、寝る間を惜しんで勉強しました。

そのうちに、ポツリポツリと感謝の言葉を聞くことが増えました。

亡き夫との思い出を壊したくなくて、なかなか店に来られなかったという上品なご婦人に、手を握られて感謝された時は自分も熱いものがこみ上げてきました。
「一生懸命練習して良かった。ご期待に応えられたんだ。」
そのご婦人はご家族やご友人と自分を指名して来店してくださるようになりました。

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上野先生のお話から感じたのは、沢山の努力と、お客様への思いやり。

ただ知識があって、技術が高ければ良いサービスが出来るわけじゃない。
シェフがどんなに素晴らしい料理を作ったって、“あなたのサービスじゃなきゃ美味しくない”。
そう言われる。これがプロフェッショナル。

一流のレストランサービス技術
習得するためには腕も心も磨く必要があるようです。

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