未来のホテリエを応援! 武内 悟 先生のおススメ本
旅行の世界史 -人類はどのように旅をしてきたのか-
森 貴史 (著) 星海社
こんにちは。
日増しに和らいだ風が春の匂いを運ぶような季節となりました。
コロナ禍を受けて打撃を受けていた日本の観光業や航空業もようやく外国人旅行客の受け入れを再開させることとなり、徐々にではありますが、でも確実な復調傾向を見せ始めています。
さて、この世界を巻き込んだコロナウィルスのパンデミックは、私たちに明らかに「旅行すること」を躊躇させる大きな障壁になり、同時に「今後の旅行の在り方」に様々な可能性や方向性を示唆させた要因でもあることも事実として、私たちは記憶しておかねばなりません。
今回のおススメの書籍は、「人はなぜ旅をしてきたのか?」を古代にまで遡り、「旅」の原点を問う1冊です。
表紙カバーに記述された指摘は、アフターコロナの「旅の在り方やカタチ」を考える上で非常に示唆に富んでいます。
“人類は、旅によって未知の世界に触れることで発展してきた。はるか昔、アレクサンドロス大王の東方遠征は古代秩序を一変させ、大航海時代の冒険者たちは新大陸を発見して大陸間貿易のパイオニアとなった。-中略- さらに近世の修学旅行というべきグランドツアーは旅行者の感受性や人格を豊かにしてきたことだろう。そして鉄道や自動車といった旅行のために用意されたテクノロジー、パックツアーやガイドブックといった旅行から派生したビジネスモデルも世界の風景を大きく変えてきた。”
人の移動理由としての「旅」は、ヒト、モノ、カネはもちろん文化や価値観・思想が「交流」することで様々な化学反応を起こし、時に新たな創造を、またある時には衝突や摩擦を繰り返してきたと言えます。
昨今、声高に叫ばれているオーバーツーリズム、環境破壊やSDGsへの取り組みなど世界の観光業が抱える共通の課題を解決する策を考えていくには、私たちは少し立ち止まって、“人はなぜ旅をしてきたのか?”という原点回帰と再検証することで“これからの旅の在り方とはどうあるべきなのか?”を考えるスタートラインに立てるような気がしています。
春の到来と共に新たな観光時代の幕開けを考える機会にしてみませんか?
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