未来のホテリエを応援! 武内 悟 先生のおススメ本
もてなしだけではもう食えない
沢柳 知彦(著) オータパブリケイションズ
皆さん、こんにちは。
さて、今回のおススメする書籍は、「小説」です。
「もてなしだけではもう食えない」
舞台は「ホテル」なのですが、難解な殺人事件が起こるわけでもなく、胸をときめかすようなラブストーリーが展開される訳でもありません・・・。
実はホテル経営のノウハウを学ぶための小説なのです。
ホテル業界をめざす方の多くが、“人と接する仕事がしたい”という根本的な理由を持っています。
そして、外国人ゲストに対する語学力やV.I.Pに対する接客術、料飲サービス手法、プロトコールなどの多岐に渡る知識が求められ、情緒的な「おもてなし」の心をもってゲストに接することを常々意識するよう教育を受けます。
しかし、著者はホテルの経営側とそこで働く人の間に大きな知識格差がありそれが得られる利益や賃金の格差につながっているとシビアに指摘しています。
また、接客業において日本では盛んに「おもてなし」の精神への賛美と重要性が説かれますが、ホテルビジネス(商売)における経営センスや基本的な経営学の知識が得られる機会とその指南書(教科書)の存在がほとんどないという点を課題ともいえる状況を鋭く突いています。
「おもてなし」が重要ではないということではありませんが、ホテルビジネスを動かす経営者はもちろんのこと、現場を切り盛りするスタッフこそホテル経営の本質を理解し、実践をしていかないと自身の働く場である職場、そして企業の存続が立ち行かない時代を迎えているのです。
そして今回のコロナ禍に見舞われた状況下で、ホテルの現場で働くにしても経営的な知識の有無は、その後のキャリア形成や人生設計においても可能性に幅をもたらすという点で、非常に大きな意味を持つことを知らしめたように思います。
秋の夜長に少々背伸びをするつもりで、ちょっと難解な会計用語や想像がつかない場面も少なくないと思いますが、「ホテルというビジネスではいったいどのような知識が必要なのか」垣間見てはいかがでしょうか?
もちろん本校のカリキュラムでは、この小説に出て来るようなモノゴトを理解するための科目を網羅して、学習できる環境をお届けしています。
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