挙式・披露宴に花は欠かすことのできないアイテムです。披露宴会場の入り口、ウェルカムボード、受付テーブル、メインテーブル、ゲストテーブルなど、あらゆる場所に花が飾られます。また、新郎のブートニア、新婦のブーケ、髪飾りなど主役を飾る花は重要なアクセントに使用されます。さらにはご両親への贈呈用花束やフラワーシャワーなど花の出番は数知れず・・・。華やかな場を彩る効果的な演出がフラワーコーディネーターの腕の見せ所です。

花に対する愛情やセンスはもちろん重要ですが、それだけで成り立つ仕事でもありません。挙式・披露宴会場全体の雰囲気、衣装との相性、新郎・新婦の好みや要望、予算などを考慮しながらコーディネートを完成させていきます。また、挙式・披露宴が行われている間、花が生き生きと輝いて見えるようにするために、花の種類や飾る場所、季節によりケアの方法も変わります。花に対する深い知識、生け花・フラワーアレンジメントの技術、色彩感覚、独創的なアイディア、さらにはウエディング全般に関する知識も必要です。

ホテルウエディングの場合、多くはそのホテル内のフラワーショップに勤めるフラワーコーディネーターが担当します。フラワーコーディネーターはフラワーデザイナー、フラワーアーティストとも呼ばれます。

花が大好きで自分がアレンジした花で人を喜ばせたいという気持ちがスタートラインです。当然花の種類、特性、扱い方、花言葉など幅広い知識が必要ですので、花について勉強することが苦にならない人でないと務まりません。

花に囲まれて仕事ができるので、花が好きな人にとってあこがれの職業です。最近は花へのこだわりが強い方も多く、新郎・新婦の理想と自分の出した提案がぴったりはまり、喜んでもらえた時にはプロとしてのやりがいを感じることができます。挙式・披露宴当日、美しい花々で新郎・新婦をより輝かせることができるかどうかが腕の見せ所です。

見た目の美しさと違い、花を扱う仕事は意外に重労働です。離れた会場へ大きな花器や枝物を運ぶことも多く、また、仕入れのために早朝から市場へ出向くこともあります。冬は水が冷たく手が荒れてしまうことも。それでも花が好き！という気持ちがないとできない仕事です。

ホテル、ブライダル施設、レストラン、ファッションビル、ショップ、オフィスのロビーなどフラワーコーディネーターの活躍の場はますます広がっています。専門的な技術とセンスを磨いていけばフリーとして独立することも可能です。

挙式・披露宴という華やかな場で、美しい花に囲まれて仕事ができる憧れの職業です。フラワーコーディネーターに国家資格はありませんが、いろいろな団体が主催する検定試験があります。知識や技術を必要とする職業ですので、専門学校で基礎を学ぶ、フラワーショップに勤務しながらフラワーコーディネーターをめざすなどの方法があります。