昼間部ホテル科 2年
(千葉県立検見川高校出身)
学校行事
進路に悩んでいた高校3年生の夏、日本ホテルスクールのサマースクールに参加したら、体験した授業の内容がとても面白く、興味深かったんです。入学してからは「学校で理論を学び、実際のホテルで実技を学ぶ」それらの繰り返しが続くのだと思っていましたが、日本ホテルスクールのイベントの多さには驚きました。
まずは、何といっても入学後初の現場実習として行われる、2泊3日の「ステイマナー宿泊研修」ですね。ステイマナー宿泊研修は、プロのサービスを受けながら食事やパーティーを体験し、現役ホテルスタッフの指導のもと、ベッドメイキングやテーブルセッティングなどの基礎技術を学びます。自分でベッドメイキングするのは、想像以上に難しかったですね。手が届かなかったり、1mm単位でのベッドメイキングに悪戦苦闘しました。自分たちで食べる料理を自分たちでサーブするテーブルセッティング・食事サービス演習は、初めて本物の食器類を使用してサービスする機会となりました。プラッター・サービスという大きな盛り皿に盛られた料理を客席まで運び、お客様に料理を見せてから、それぞれのお皿に取り分けるサービス技法が印象に残っています。これぞ本物のサービスという実感を得ました。ホテルスタッフとゲストの両面を体験することで、ホテルの現場の理解を深めることができましたし、プロフェッショナルな仕事を身近に感じる貴重な時間となりました。
ステイマナー宿泊研修では、ホテル科、ブライダル科の全学生が参加します。研修中には、全学生が参加して模擬結婚式も体験します。挙式から披露宴までスタッフ・ゲスト双方の視点からお客様が必要とされるものを実感できる機会になります。模擬挙式では、なんと新郎役を務めました! もちろん結婚式を経験したことのない僕は、黒いタキシードを身につけ、とても緊張しました。普段経験できないことだから、やってみよう! と挑戦したものの、正直恥ずかしさもありましたね。でも新郎目線で挙式を感じ、見ることができました。何年後かの本番では、緊張しないかもしれないですね(照)。
思い出に残っている大きなイベントは、1年次の海外研修旅行です。日本ホテルスクールでは、国際的な視野を身につけることと海外のホテル事情を肌身で学ぶ目的で、1年次、2年次ともに学年末にそれぞれ海外研修旅行に出かけます。海外研修旅行はカリキュラムに含まれており、全員参加です。昼間部では、実習で支払われる給与を積み立てて旅費に充当しているので、旅行費用の負担はありません。
正直、海外研修旅行に行く前は、海外にあまり興味がありませんでした。しかし、マレーシアに到着すると、その意識は180度変わりましたね。到着した瞬間の現地の香り、現地の方々の優しさ、気さくで陽気な雰囲気が印象に残っています。滞在中に訪れたレストランでは、23歳くらいの女性マネージャーが気さくに話しかけてくださり、楽しくお話しさせていただいたことを覚えています。日本だったら、マネージャーが滅多に話しかけることもないですし、日本との文化の違いを肌で感じた瞬間でしたね。海外研修旅行を通じて、海外への関心が高まったと思います。帰国後はいろいろな国の情報に耳を傾け、もっと知りたいという意識が強まりました。学校での英語の授業にも、今まで以上に力を入れるようになりましたね。
ステイマナー宿泊研修や海外研修旅行のほかにも、クラスメートとの親睦を図るボーリング大会、球技大会、体育祭、ワイナリー見学、弁論大会があります。弁論大会は、全校の学生や審査員、保護者、ホテル関係者など、毎年1,000人もの人が集まるアカデミックな行事です。審査員には有名ホテルの総支配人やマネージャー、人事部長など、そうそうたる皆様が積極的に参加してくださいます。これも日本ホテルスクールならではの行事だと思います。
クラスの仲間と一緒に学校行事を楽しむ――専門学校に入学して、このような経験ができるとは思いませんでした。クラスメートをはじめ、学校の仲間は、"友であり、よきライバル"でもあります。同じ業界を目指す仲間ですから、志が一緒で、つらいことなども、ともに分かち合うことができます。一方では、お客様に対するサービスなどで負けたくない、という気持ちもありますけどね。そんな環境だからこそ、切磋琢磨できるのかな、と最近思うようになりました。
生徒自身が企画する学校行事などでは、リーダーシップの重要性にも気づかされました。自分の意見を通すだけでなく、相手の意見を受け入れ、調整する。そんなリーダーシップは将来、仕事でも必ず必要になってくると思います。「1+1=3以上」。1+1を3以上にすることが、リーダーシップではないでしょうか。学校行事を通じて身につけたリーダーシップとともに、日本人らしいサービスである"謙虚さ""譲り合い""美徳"で、幅広い層に応じたサービスを提供できるホテリエになりたいと思います。