ペストリー
調理の仕事
チーズケーキ、ミルフィーユ、アップルパイにイチゴのタルト......。ホテルのカフェやペストリーショップのガラスケースには、どれにしようか迷うほど、色とりどりのケーキが並んでいる。チョコレートやクッキーもおいしそうだ。
ペストリー部門で作るこういったお菓子類は、宴会場やレストランのデザート用だけに限らない。大きなホテルではむしろ、館内のショップで販売する分や、デパートの食品売場に卸す外販分のほうに、量的な比重はかかっている。ペストリーは厨房の中の「デザート係」という位置づけだけではないのだ。
もちろん、ケーキ類以外のオリジナルデザートも、いろいろと手がける。ただ、最近はアイスクリームやシャーベットなどの冷たいお菓子類は、外部の業者に発注するホテルが増えていて、ペストリーが腕を振るうのは、もっぱらパイやタルト類といったところ。 なお、「ペストリー」をフランス語で「パティシエ」と呼ぶ場合も多い。
デザートは食事の締めくくり。どんなにメインの料理がおいしくたって、最後がビシッと決まらなければ不満が残る。反対に、おいしいデザートを食べたときの、ぱっと表情が輝くような感じ。あれって、ステキだね。そういうお菓子を作れたら、ペストリーとして最高に嬉しいと思う。
ホテルのペストリー部門にいると、ウエディングケーキやアメ細工作りといった特別な技術を習得できる楽しさもある。これは、ふつうのケーキショップではなかなか体験できないこと。
ホテルのペストリー部門にいると、ウエディングケーキやアメ細工作りといった特別な技術を習得できる楽しさもある。これは、ふつうのケーキショップではなかなか体験できないこと。
ペストリーの仕事は外販分があるので、けっこう毎日のように忙しい。宴会の予定が少ない日は息が抜ける他のセクションと違い、いわゆるルーティーンワークが課せられているのだ。それに、テイクアウト分が早めに売り切れてしまえば、追加が入って残業に。まあ、売り切れるのは人気の証拠だから、頑張りがいもあるけれど。
西洋料理のコックさんを志す人は必ず、修業の中でデザートの作り方を学ぶ。だから、ペストリーの専門じゃなくても、そこそこのものは作れるが、テイクアウト用の本格的なケーキやクッキーとなると、高い技術がもとめられる。つまり、デザートづくりの専門家にならなければいけないのだ。
ホテルではスタッフを募集するときに、コックとは別にパティシエとして採用することが多い。ソーシエをやっていた人がペストリーに移動することは、まずありえない。高い技術を習得するために、最初はホテルではなく、お菓子屋さんで修業する人もいる。逆にホテルのパティシエから転身し、自分の店をもつ人だって珍しくない。
ホテルではスタッフを募集するときに、コックとは別にパティシエとして採用することが多い。ソーシエをやっていた人がペストリーに移動することは、まずありえない。高い技術を習得するために、最初はホテルではなく、お菓子屋さんで修業する人もいる。逆にホテルのパティシエから転身し、自分の店をもつ人だって珍しくない。