レストランの間違いやすい敬語
レストランのお仕事は、他の部門よりも会話する機会が多くあります。
オーダー確認やテーブルサービスなど決まりきった接客が多い分、正しい敬語を使用したいですね。
レストランでよく使われる不適切な敬語の使い方と共に正しい敬語を見ていきましょう。
上着をお預かりする際
ここでコートを預かります。
こちらでお召し物をお預かりいたします。
解説
「ここ」を丁寧語の「こちら」に、場所のこちらだけでなく私共がという意味もこめて「こちらで」を遣います。「コート」は外来語なので尊敬語の「お」をつけられません。和語の「お召し物」に変えることで相手の持ち物を敬います。「召す」はいろいろな意味がありますが「着る」の尊敬語です。
お客様がお帰りになる際
また来てくださいね。
またのお越しをお待ち申し上げております。
解説
「また来てくださいね」は親しい間柄で伝える言葉です。「来る」の尊敬語の「お越しになる」の名詞形で「お越し」に、「待っています」の敬意表現でお越し願う気持ちの「お待ち申し上げる」は「待っています」の謙りくだる謙譲語、「いる」を謙譲語の「おります」につなげて連結敬語の表現です。
選択しきれず悩んでいるお客様へのお声掛け
気に入ったものはありましたでしょうか。
お気に召したものが、ございましたでしょうか。
解説
「気に入った」の尊敬語がお気に召した、「ある」の丁寧語が「ございます」。お声掛けにはお気に召したものが、で間を入れるとお客様に考えていただく間ができます。
飲み物の確認の際に
コーヒーと紅茶がございますが、どちらにいたしますか
コーヒーと紅茶がございますが、どちらになさいますか
解説
「いたす」は謙譲表現なので、お客様の行為に使用することは不適切です。
飲み物をサービスする際に
コーヒーの方をお持ちしました/コーヒーになります
コーヒーをお持ちしました/コーヒーでございます
解説
「~の方」「~になります」は典型的なマニュアル敬語です。コンビニやファミレスなどではよく使われますが、使うべきではないでしょう。
空いたお皿を下げる際に
こちらのお皿をお下げしても大丈夫でしょうか
こちらのお皿をお下げしてもよろしいでしょうか
解説
最近、「大丈夫」を「必要・不要」「許可・不許可」を表現するために使用する用法が増えていますが、本来の表現ではないため使用しない方がよいでしょう。
選択できるお料理を確認する際に
お料理は和食と洋食からお選びできますが、いかがなさいますか?
お料理は和食と洋食からお選びになれますが、いかがなさいますか?
解説
「お~できる」は謙譲表現となり不適切です。尊敬表現にするためには「お~になれる」とする必要があります。