電話応対の間違いやすい敬語
電話応対はお互い顔が見えない中で、言葉のみでの接客となります。また、ホテルに訪れる前の最初の会話の場となることも多く、どこよりも正しい敬語の使用が求められます。
電話応対でよく使われる不適切な敬語の使い方と共に正しい敬語を見ていきましょう。
相手のお名前を確認する
△△会社の山田様でございますね。
△△会社の山田様でいらっしゃいますね。
解説
「ございます」は名前の後につけると謙譲の意味があります。相手の名前の後には「いらっしゃいます」をつけます。例「私は〇〇でございます。あなた様は◎◎様でいらっしゃいます。」
離席中のスタッフに対して掛かってきた電話に対して
佐藤は今席におりません。帰ってきたら伝えます。
申し訳ございませんが佐藤はただいま席を外しております。戻り次第 申し伝えます。
解説
「今」は改まり言葉で「只今」、「席におりません」は「いる」の謙譲語としては間違っていませんが否定形より肯定形の「席を外している」を遣います。「帰ったら」を改まり「戻り次第」とし、「伝えます」は丁重語で「申し伝えます」に変わります。
最後に改めて自分自身を名乗る際
電話を受けたわたしは~~です。失礼します。
わたくし、〇〇が承りました。お電話ありがとうございました。
解説
「わたし」の改まり言葉が「わたくし」であり、社会人としては「わたくし」を遣います。「名乗る」ことと「承る」で責任の所在を明言します。 電話の最後はお礼で終わります。お客様より先には切らず、電話の最後は丁寧に感謝を込めて伝えます。
相手の名前を確認する際に
恐れ入りますが、お名前をいただけますでしょうか
恐れ入りますが、お名前をお聞かせ願えますでしょうか
解説
「いただく」は「もらう」の謙譲語であり、名前はもらうものではありません。「いただく」を使用するなら、「教えていただけますでしょうか」なら〇。
休暇中のスタッフに対して掛かってきた電話に対して
あいにくですが、〇〇は休暇をいただいております
あいにくですが、〇〇は休暇を取っております
解説
もう1つ「いただく」の誤用です。「いただく」は話し相手から何かをもらう(してもらう)時に使う言葉です。電話相手から休暇をもらうわけではないので「いただく」は使用しません。
電話の声が聞こえにくい時
申し訳ございません、少し声が聞こえにくいのですが..
申し訳ございません、お電話が少々遠いようですが..
解説
「声が聞こえにくい」と言うと相手に非があるように聞こえるため、電話機や電波、通話環境に問題があるようにして、失礼にならず相手に理解を促すことができます。
お客様の言動に恐縮する時
とんでもありません/とんでもございません
とんでもないことでございます
解説
「とんでもない」という一つの単語(形容詞)のため、「ない」→「ありません」「ございません」という敬語化はできません。 「恐れ入ります」も恐縮していることを表現するには良く用いられます。